昭和の時代と違って平成、令和と移り変わっていく中で共働きの世帯は増えていますが「どれだけのメリットがあるのか分からない」と言う事で正社員ではなくパートとして扶養の範囲内で働いている方が多いと思います。
確かに収入が増えた事で税金の負担が増えたり社会保険料の負担が増えると「なんだか損した気持ちになる」と言う気持ちは分かる気がします。

でも実際にはそんなデメリットを遥かに超えるメリットがある事に気付いてない方が多いんですよね。
そこでこの記事では具体的に「どんなメリットが」「どのくらいあるのか」をお伝えしていきます。
せっかく働くのであれば、ここをスッキリとさせた上でこれからの働き方をどうしていくか決めた方が後々後悔しなくて済みますよね。
共働きのメリット1:税金
まず一つ目のメリットは税金についてです。
仮に片働きのAさんの家庭と共働きのBさんの家庭で比較をしてみましょう。
年収800万円のAさんと専業主婦の妻、二人とも年収400万円のBさんと妻で世帯収入はAさんと同じ800万円とします。

その他の前提条件はこんな感じ
子供:長男12歳、長女10歳の二人
所得控除:基礎控除と社会保険料控除のみ
住まい:東京都
健康保険:協会けんぽ
この場合、世帯の年収としては同じ800万円でも支払う税金には差が生じてきます。
一覧にするとこちらの様になります。
Aさん夫婦 | Bさん夫婦 | |
年収 | 800万円 | 800万円 |
社会保険料 | 約117万円 | 約117万円 |
所得税 | 約40万円 | 約17万円 |
住民税 | 約43万円 | 約37万円 |
Aさんの世帯としては約83万円の税金を払うのに対してBさんの世帯では54万円しか税金を払わない事になります。

1年で約30万円も手取り額が変わってくる計算になるので、この差が20年続くとすると600万円の差になってきます。

この差は無視できない金額ですな。
所得税は累進課税と言う仕組みなので年収が増えれば増える程、税率が高くなっていきます。
ですから年収が高い程、この差も広がっていく事になります。
共働きのメリット2:保障
次に二つ目のメリットは妻の保障についてです。
傷病手当金
共働きの妻は夫の扶養から抜けて自ら健康保険に加入しますので「傷病手当金」と言う保障を受けられる事になります。
傷病手当金とは病気やケガの為に会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
支給される要件は「被保険者が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給されます。 」となっています。
ただし、休んだ期間について事業主から傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合には、傷病手当金は支給されません。

傷病手当金は給与の3分の2が1年6か月も支給されるのでいざと言う時にはとても大きな助けになる保障です。
出産手当金と育児休業給付金
更に出産する際にも大きな差があります。
妻が専業主婦の場合に受給できる手当と言うと出産一時金のみですが会社員の妻は健康保険から「出産手当金」、雇用保険から「育児休業給付金」も受給できます。
出産手当金とは被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合は、出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日以後56日目までの範囲内で、会社を休んだ期間を対象として出産手当金が支給されます。
育児休業給付金の支給期間は、産後休業期間(出産日の翌日から8週間)が終了した次の日から子どもが1歳に達する前日までですが、「パパママ育休プラス制度」を利用した際は1歳2か月まで延長が可能です。

これらは条件を満たしていれば正社員ではなくパートや契約社員でも受給できるので専業主婦にはないメリットですね。
共働きのメリット3:年金
三つ目のメリットは年金についてです。
先程のAさんとBさんの場合で比較してみましょう。
Aさんのケースでは夫婦合わせた1年間の年金の合計額は約310万円となります。
それに対してBさんの夫婦はそれぞれが厚生年金に加入していますので夫婦合わせた1年間の年金の合計額は約360万円となります。

1年で約50万円も手取り額が変わってくる計算になるので、この差が20年続くとすると1000万円の差なので先程の税金の差よりも大きい差になります。

妻も定年まで勤めると職場によっては退職金をもらえる可能性があると言う所も見逃せない違いですね。
共働きのメリット4:リスクの分散
人生はいつ何があるか分からないものです。
若い時はそんな事は考えませんでしたが40歳を過ぎた今なら、周りで実際に病気やケガをしている方がいるのでリスクについても考えてしまいますね。
更に今のご時世はリストラや会社の倒産などと言った自分では対処できない部分のリスクも可能性がゼロではありません。

片働きなら会社員である夫に万が一があると収入が途絶えてしまいますが、共働きであれば収入がゼロになってしまう事はないですね。

これはとても大きなリスクヘッジと言えます。
共働きのデメリット
ここまで共働きのメリットをお伝えしてきましたが、やはりデメリットもあります。
・家事を分担する必要が出てくる
・家族や夫婦のコミュニケーションが減る
やはり専業主婦と比べて育児や家事をどの様にこなしていくかが共働きの場合は問題になってきます。
ですからポイントになって来るのは「夫の協力体制」です。

これは次の章の「共働きのコツ」にもつながってくるポイントですので次の章で詳しく見ていきましょう。
共働きのコツ
先程あげた様な共働きのデメリットとなるポイントはいずれ必ず問題になってきますので、事前に対策を打っておくのが得策です。

夫と妻はそれぞれ仕事の内容も違いますし、家事を分担するにしてもそれぞれ得意不得意があると思います。
ですからそれを踏まえてお互いを思いやりながら役割分担する事が重要です。
後は真面目な方に多いのが「家事や育児に完璧を求めすぎてしまう」って事も要注意です。

これはお互いにストレスの元になってしまう事が多いので、心にゆとりをもって過ごすのが上手くいくコツです。
まとめ:チームで備える
片働きと共働きでは「お金」や「保障」の面で大きな差がある事はおわかり頂けたと思います。

老後の2000万円問題も共働きであれば何の心配もいらない程のメリットがあるので、これからは扶養を外れてフルタイムで働く妻が増えてきそうですよね。

世帯をチームとして役割分担をする事でこの先行きの不透明な時代を生き抜いていきましょう。
コメント