知らないと損する!妻がパートで働く際に考えるべき年収の壁とは?

ライフプラン

どうも、FPの山形です。

最近は専業主婦の方はどんどん減っていて、共働きの世帯が増えています。

厚生労働省の調査でもここ40年の間に「専業主婦世帯」と「共働き世帯」の比率が完全に逆転しているという事が分かります。厚生労働省:配偶者手当の取り巻く環境について

山 形
山 形

そこで気になってくるのがパートでいくらまで稼いでも損しないのか?という事です。

ゆっちゃん
ゆっちゃん

確かに年収が多くなると夫の扶養から外れて、逆に損しちゃうって聞いた事があるね。

こういう話って頻繁にルールが変わるし、「よく分からないから何となく100万ぐらいにしておこうかな」と思っている方も多いと思います。

一見複雑な話の様に感じますがスッキリと分かりやすく解説していきます。

 

パートで働く際の年収の壁は6つある

妻がパートで働く際に年収が一定の金額を超える事によって影響が出てくるものにはいくつか種類があります。

・妻の税金
・夫の扶養手当
・妻の社会保険
・夫の配偶者控除

山 形
山 形

年収がいくらになると何に影響が出るのか、という事が分かりにくいので混乱する原因になっているんだと思います。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

年収100万円の壁:妻の住民税

まず妻のパート年収が100万円以下であれば税金は一切かかりません。

100万円を超えた部分に対してだけ住民税(所得割)が税率10%でかかります。

年収103万円の壁:妻の所得税・夫の扶養手当

次に妻のパート年収が103万円を超えると所得税がかかってきます。

所得税は収入が多くなればなるほど税率が高くなる仕組みですが、課税所得が195万円以下の場合は税率5%となっています。

この所得税も「103万円の壁」を超えた部分だけにかかる仕組みなので、それ程影響は大きくないと思います。

山 形
山 形

むしろ「103万円の壁」でインパクトが大きいのは夫の扶養手当の方です。

夫の会社によっては扶養手当の支給要件が妻の年収が103万円を超えない事となっているケースがあります。

仮に1か月の扶養手当が15000円だったとすると年間18万円になります。

ゆっちゃん
ゆっちゃん

もし1万円年収が増えただけで年間18万円の扶養手当がもらえなくなるのであれば年収を調整した方が良いですよね。

夫の扶養手当をもらっている場合は支給要件をチェックしておきましょう。

年収106万円の壁:妻の社会保険

次に妻のパート年収が106万円を超えた場合の妻の社会保険についてですが、パートだったとしても「1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上の場合」は夫の社会保険の扶養から外れて自らパート先で導入されている健康保険と厚生年金に加入する事になります。

そして4分の3未満だった場合でも下記の5つの要件をすべて満たすケースは自ら社会保険に加入しなければいけません。

5つの要件

・常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めている事
・賃金の月額が8.8万円以上である事
・週の所定労働時間が20時間以上ある事
・雇用期間が1年以上見込まれる事
・学生でない事

仮に5つの要件を満たす妻が月9万円(年収108万円)の給料で働いた場合は、「健康保険」「介護保険」「厚生年金」などの社会保険料が年間約18万円天引きされ、更に住民税・所得税が引かれる事になるので手取りが90万円弱に減ってしまいます。

山 形
山 形

まさに「収入は増えているのに手取りは減る」と言う損をしてしまうパターンです。

年収が106万円を超えてから減ってしまった手取りが実際に増える様になる分岐点は住んでいる地域によっても変わりますが年収が約125万円前後になった時です。

年収130万円の壁:妻の社会保険

上記の5つの要件に該当しない方は妻のパート年収が130万円を超えると夫の社会保険の扶養から外れる事になります。

住んでいる市区町村の国民健康保険か、パート先の健康保険(労働時間・勤務日数が正社員の4分の3以上に該当する場合)に加入しなければいけません。

更に今までは厚生年金に加入する夫の扶養だったので国民年金の第3号被保険者でしたが、第1号被保険者となるので国民年金保険料も自ら支払わなければならなくなります。

この場合は月に約3万円、年間で36万円ほどの保険料と更に住民税・所得税を負担する事になります。

ゆっちゃん
ゆっちゃん

このケースも「収入は増えているのに手取りは減る」と言う状態になってしまうんですね。

年収が130万円を超えてから減ってしまった手取りが実際に増える様になる分岐点は年収が約155~175万円前後(住んでいる地域や健康保険よって変わる)になった時です。

年収150万円の壁:夫の配偶者控除

続いて妻のパート年収が150万円を超えた場合の夫の配偶者控除についてです。

2018年からの税制改正で配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われ控除額等が改正されました。

夫の収入
妻のパート年収1120万円以下1170万円以下1220万円以下
配偶者控除額103万円以下38万円26万円13万円
配偶者特別控除額150万円以下38万円26万円13万円
155万円以下36万円24万円12万円
160万円以下31万円21万円11万円
166.8万円未満26万円18万円9万円
175.2万円未満21万円14万円7万円
183.2万円未満16万円11万円6万円
190.4万円未満11万円8万円4万円
197.2万円未満6万円4万円2万円
201.6万円未満3万円2万円1万円
201.6万円以上0万円0万円0万円

この様に夫の年収と妻のパート年収によって段階的に配偶者控除額が変わってきます。

妻のパート年収が150万円までは控除額がマックスですので、そこを超えたところから夫の税金が少しづつ増えていく事になります。

山 形
山 形

この150万円の壁は上記の106万円や130万円と比べると家計に与える影響は小さいですね。

年収201.6万円の壁:夫の配偶者控除

最後の壁が妻のパート年収が201.6万円を超えた場合の夫の配偶者控除についてです。

先程の表でも一番下の段に書かれていますが、妻のパート年収が201.6万円を超えると夫の配偶者特別控除が0円になり一切控除を受けられなくなります。

ここまでお伝えしてきた6つの壁を表にまとめると以下の様になります。

妻のパート収入妻の税金妻の社会保険夫の控除
住民税(所得割)所得税
100万円以下かからないかからない夫の扶養内で
健康保険に入り
年金も3号被保険者
で負担なし
年収1120万円
以下なら配偶者控除
が受けられる
103万円以下かかる
130万円未満
(106万円未満)
かかる年収1170万円
以下なら配偶者特別控除
が満額受けられる
150万円以下自分で社会保険
(健康保険・年金)
に加入して
保険料も負担
201.6万円未満年収1220万円以下
なら配偶者特別控除
が満額受けられる(逓減)
201.6万円以上なし

影響の小さい壁と大きい壁

こうして整理してみると壁を超える事によって家計に及ぼす影響が小さい壁と大きい壁がある事が分かります。

山 形
山 形

影響が小さい壁は妻の税金と夫の配偶者控除ですね。

ゆっちゃん
ゆっちゃん

逆に影響が大きい壁は夫の扶養手当と妻の社会保険なんですね。

大分どの壁を意識すればいいのかが分かってきたと思います。

一言で「夫の扶養内」と言っても「税制上の扶養」と「社会保険上の扶養」があるという事ですね。

そしてこの2つの扶養では交通費や通勤手当の扱いが異なってきます。

税法上、交通費や通勤手当は所得に当たらないとされている為「税制上の扶養」では、年収に含めずに考える事ができます。

それに対して「社会保険上の扶養」では交通費や通勤手当も厚生年金保険法でいう「報酬」とみなされる為、年収に含めて考えなくてはいけません。

妻の社会保険の影響とは?

では次に影響の大きい社会保険について具体的に考えてみましょう。

夫の扶養から外れる事でどの様なデメリットが発生するのかという事と、逆にメリットはないのでしょうか?

具体的なデメリットとは?

デメリットは分かりやすく社会保険料などの負担が増えるという事ですね。

働き損になる様な年収にはならない様に調整して働かないといけないという事ですね。

具体的なメリットとは?

次にメリットですが大きく分けて2つあり、「年金のメリット」と「健康保険のメリット」があります。

年金のメリット

まず年金ですが扶養の範囲内であれば妻は基礎年金しかもらえませんが、社会保険料を会社と折半で負担する事で将来の年金額を増やす事ができます。

例えば106万円の年収で10年間勤務した場合は年額で6万円弱、130万円の年収で10年間勤務した場合は年額で7万円強の年金額アップとなります。

女性は長生きですから何年も長期でもらう事を考えるとバカにできない金額です。

健康保険のメリット

更に自らが健康保険に加入していれば病気やケガで長期欠勤する場合、傷病手当金が支給されるようになります。

傷病手当金とは4日以上連続で欠勤した場合に最長年6か月もの間、お給料の約2/3が手当として受け取れる制度です。

そして障害者になってしまった場合も、厚生年金と国民年金の両方から障害年金が受け取れるようになる事もメリットにあげられます。

まとめ:長い目で見ると扶養から外れるのもアリかも

「働きすぎると損をする」と思っている方が多いような気がしますが、実はちゃんとメリットもあるんですね。

目先の1年しか考えていないようだと扶養内で働く方が良いという結論になってしまいますが、老後の年金など長い目で見て考えると扶養から外れて収入を増やすのもアリなのかなと思います。

山 形
山 形

そのご家庭によって状況や環境が違うのでそれぞれに合わせて考えてみると良いのではないでしょうか。

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