前回の記事で資産運用の初心者の方がどの様な心構えで始めるべきかをお伝えしました。

この記事の中でお伝えしたポイントは
・まずは無駄を省いて投資資金を捻出
・積立投資でコツコツ時間を分散
・長期間の複利運用で効率アップ
と言った内容でした。
今回はこれ以外にも資産運用の基本となる「分散投資」と「資産運用のコスト」についてお伝えしていきたいと思います。
分散投資とは?
分散投資と言う言葉は聞いた事がある方が多いと思いますが、実際に何をどう分散すればいいのか?と聞かれると答えに困ってしまう所だと思います。

ちゃんと意図をもって分散するのと何も考えずに分散するのとでは大分効果に差が出てきます。

具体的に何をどう分散すればいいのか知りたい。
色々分ければ良いと言う訳ではない
以前、実際に個別相談を受けた中で「営業マンに勧められるまま買い足していって最終的に30種類以上の投資信託や外貨建ての債券を持っています。」と言う方がいました。

この方のケースは確かに分散はされていますが本来の目的を見失ってしまっていました。
本来リスクを小さくする為の手段として「分散する」はずが、いくら分散してもリスクが小さくならない分散もあるのです。

どう分散するべきなんでしょ?
値動きの異なるものを組み合わせる
基本的な考え方としては何種類かの金融商品を組み合わせる時は「同じ動きをするもの同士を組み合わせてはいけない」という事です。
いけないと言うよりも、それでは意味がないと言った方が正しいかもしれません。
「値動きの異なる2つ以上の金融商品」を組み合わせる事でリスクを小さくする事ができますし、3つ4つと増えてくるとより複雑な要因で分散効果が発揮されていきます。
良くあるのは「株式と債券」や「国内と外国」を組み合わせるのが一般的です。
国内株式、国内債券、外国株式、外国債券の比率を変える事でよりリスクを抑えたり、より積極的にリターンを狙ったり調整ができます。
低コストなものを選ぼう
次にコストについてですが投資信託を買う場合を考えてみましょう。
投資信託は運用の難しい部分をプロにお任せできる仕組みですが、利益が出ても損失が出ても必ず手数料がかかります。
例えば日本の会社だけでも約2000社
更に外国の株ともなると「どの国」に「どんな会社」があるかすらよく分からないという方が大半だと思います。
投資信託だとそこをプロが全部やってくれるのでとっても楽

投資信託には信託報酬と言う運用手数料の設定がありますが「これが安いものを選ぶ」というのを意識して選ぶと良いですよ。
その信託報酬が低い投資信託の事を「インデックスファンド」と言
インデックスファンドは、日経平均株価(日経225)やTOPIX(東証株価指数)、ダウ平均株価など市場全体の動きを表す代表的な指数(インデックス)に連動した投資成果を目指す投資信託です。
ですから商品名を見て「インデックス」という文字が入ってい
結局選ぶべきなのは?
ここまでの話をまとめると
・まずは無駄を省いて投資資金を捻出
・積立投資でコツコツ時間を分散
・長期間の複利運用で効率アップ
・値動きの異なるものに分散
・低コストなものを選ぶ
これが初心者が安心して気軽に資産運用を始める為のポイントになります。

これをポイントを満たす金融商品が「iDeCo」や「つみたてNISA」なんですね。

その通り!このポイントをちゃんとおさえれば限りなくリスクを小さくした「ローリスクハイリターン」な運用も可能になるんです。
過去の実績は?
そうは言っても「やっぱりリスクのある投資をするのはこわい」と思う方も多いと思います。
そこで今まで実際にこれまでお伝えしてきた様な投資信託を活用して積立投資を行ってきた人達はどの様な成果を得られたのかを具体的な数字を示して見ていきましょう。
10年積立の場合
仮に先程お話した様に「日本株式」「日本債券」「外国株式」「外国債券」の4つの資産に均等に分散して毎月1万円ずつ10年間積み立てたとします。
トータルで投資した元本は120万円ですね。
この積み立ての期間を「1969年末に積立投資を開始して1979年末に終えるグループ」「1970年末に積立投資を開始して1980年末に終えるグループ」と言う様に、1969年からそれぞれ10年区切りのグループをつくってみると2015年までにトータルで37個のグループができます。

この中で元本を下回ったグループは37回中わずか2回で2008年と2011年末に積立投資を終えた場合だけでした。

元本下回ったグループもあるのね。
ちゃんと理由があって2008年はリーマンショックという金融危機が起きて株が大暴落した年です。
そして2011年は国内では東日本大震災があり、海外ではギリシャの経済危機がスペインやイタリアにまで波及して世界的に株価が下落した年でした。
この2つの年は10年間の積立投資をしても積立投資を終えるその年に株価が下がった事で投資したお金は元本を下回る結果となってしまいました。
ただその2つの年を除いてはどの10年をとってみてもお金は元本の120万円を上回る結果となっていて、平均すると元本の120万円が167万円に増えています。
20年積立の場合
次にもっと期間を延ばして20年間を同じ条件で積み立てを続けるとしたら結果はどうなるでしょうか?
毎月1万円ずつ20年積み立てると投資元本は240万円になります。
1969年から2015年まで20年ずつのグループを作ると27個のグループができます。

結果はどの20年のグループを見ても運用成績はプラスになっていて、平均すると元本の240万円が468万円に増えているんです。

20年で倍ぐらいになってるの?ス、スゴイですね~。
これはあくまでも過去の結果なので「これからも同じ様になります」という事ではありません。
ただ短期的な細かい上げ下げを受け入れつつ、長期でじっくりお金を増やすという事の有効性がおわかりいただけたのではないでしょうか?
まとめ:「コツコツほったらかし」をやってみよう
2回にわたって初心者の方がどの様に資産運用していくべきかお伝えしてきました。
もう一度ポイントをおさらいしますと
・まずは無駄を省いて投資資金を捻出
・積立投資でコツコツ時間を分散
・長期間の複利運用で効率アップ
・値動きの異なるものに分散
・低コストなものを選ぶ
あなたもこれで「コツコツほったらかし」資産運用ができると思います。
まずは一歩踏み出して口座開設してみましょう。
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